高校卒業後、地元で就職したいと考えていた宍戸さんは、親戚の勧めもあって舗装工事をメインとする富良野の建設会社に就職します。「高校は普通科だったので工業系の知識は何もなく、道具の名前一つから覚えるのに苦労しましたね」。現場の段取りや作業の流れとその意味まで、すべてを並行して覚えなければ仕事になりません。調べるよりも先輩に聞いたほうが早く身に付くと、積極的に質問を重ねて知識を吸収。2年後には一人で現場を任されるようになりました。
一方では失敗から学ぶことも。「私用で休みを取るため、担当者に作業内容を説明して休暇に入ったところ、想定とは違うものが出来上がってしまい最初からやり直す事態になったことがあるんです」。この時に自身の説明不足を痛感し、他者とのコミュニケーションの重要性を知ったと言います。
こうして気が付けば24年、昇進し部下を指導・管理する立場にもなりました。しかし、家庭の事情で旭川に移り住むことになり、そのタイミングで転職を決意します。「家族との時間を大切にしたい思いがありました。これまでのキャリアを生かせて転勤も出張もない、業界での知名度もあり長く働けそうだと感じたのが現在の職場でした」。