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私が選んだ職場【大久保鉄工株式会社】

2021年6月28日公開

私が選んだ職場

高校のころに溶接と出合い、鉄工所で働き始めた長谷川さん。品質の良い製品を作ることをやりがいに、経験を積んでいきます。自分の技術に自信を持って転職した後、改めて溶接の奥深さを知り、 一生ものの目標を見つけました。

難しい、だからこそ楽しい。一生をかけて究めたい溶接の道。

設計課 係長/長谷川達也さん(46歳)
旭川市出身。物づくりが趣味で、休日はDIYに勤しんでいる。

お客様の反応が喜び。高精度の製品作りを目指す。

高校時代、専門科で機械や溶接について学んだ長谷川さん。卒業後入社したのは、市内の大手鉄工所でした。高校で学んだとはいえ、現場の作業は未経験。初めは図面の見方が分からなかったり、製品を図面通りに仕上げるのにも苦戦したものの、100分の1、1000分の1ミリの僅かな精度の差が出来を左右する鉄工業の世界で、長谷川さんは基礎を身に付けながら着実に成長を続けます。
入社から5年目、主要製品の一つである水門を製造する部署へ異動した長谷川さん。金属の溶接や組み立てなどを行う、製缶部門で作業することになりました。小さな部品から始め、技術の向上と共に任される物も大型化していきます。その中で心掛けていたのは、常にお客様に喜ばれる良い製品を作ることでした。「自信を持って引き渡せる製品作りを常に意識していましたね。営業や検査のスタッフから伝え聞くお客様の反応が喜びでした」。最終的には天塩川の堤防沿いに設置された水門のほとんどを手掛けるまでにスキルアップした長谷川さん。自信を胸に、次のステップに進むため転職することにしました。

上には上がいる。溶接のクオリティの高さに脱帽。

迷いながら決めた転職先は、鉄骨を扱う現在の職場でした。同じ鉄工所というくくりでも、製缶と鉄骨では全く違う世界。先輩から大変さを聞いていたため、初めは鉄骨の仕事を避けて探していたといいます。しかし、シゴトガイドに載っていた大久保鉄工株式会社の求人内容と写真を見て、何だか楽しそうだと心が動かされ応募。2018年の5月から同社の一員となりました。
長谷川さんは製造全般に携わり、組み立てから溶接までの工程を担当することになります。しかし、前職で扱っていた素材が主にステンレスだったのに対し、同社で扱うのは鉄。これまで培ってきた感覚が通用しません。金属製品の難しいところは、熱を加えるほどに縮むことにあります。溶接の箇所や作業にかかる時間によって、切り出す長さを調節する感覚が重要です。誤差は数ミリに抑える必要があり、「素材で異なる縮み方の感覚をつかむために、1年ほどかけて一から勉強し直しました」。
また、入社して驚いたのは、先輩方のクオリティの高さでした。「鉄骨は溶接が甘いと地震などで折れてしまう可能性があるため、『命を守る溶接』が必要です。ムラなくしっかりつける先輩方の技術が高く、自分はまだまだだと思い知らされました」と熱く語る長谷川さん。溶接の奥深さを知り、先輩たちと同じ領域に到達したいと思うようになりました。

現場での知識を生かし、新たな挑戦へ。

入社から3年目となる昨年、現場で技術の研鑽を積む長谷川さんに意外な辞令が下ります。それは、設計課への異動でした。主な業務は、お客様向けの施工図と、工場で作業する同僚向けの加工図、2種の図面を作成すること。施工図は建物の骨組みだけに特化したもの、加工図は建築に必要なパーツを一つひとつ書き起こしたもの、という違いがあります。「屋根と壁では使う鉄骨や部品が違うんです。鉄骨だけではなく、建築の用語や材料といった専門的な知識がないと作れない。また一から勉強です」と笑います。図面の制作は、一つの物件につき一人が担当。溶接と違い、構造上の強度を加味して設計するなど悩むことも多く、今はまだ楽しさよりも大変さが勝ると長谷川さん。それでも、これまでの溶接や組み立てで培ってきた知識は生きているそう。「『強度を考えるなら別の場所と方法がいい』とより良い取り付け方に変えるなど、うまく溶接ができない鉄骨と部品の組み合わせを考慮して設計しています。溶接経験者として、現場の目線で設計できるのは私の強みだと思っています」。そうした頑張りが報われ、うれしいと感じるのは建物が完成した時。竣工式に呼ばれて立ち会った時は感動もひとしおと話します。
鉄に携わるのが生きがいだと言い切り、設計はもちろん溶接など他の仕事のスキルアップを目指す長谷川さん。その向上心は、鉄骨のような固い決意を芯にして、真っすぐ上に伸びていました。

  • 図面を見ながら加工の説明や指示を行う。

  • 専用ソフトを用いて図面を設計。平面と3Dを表示して2画面で作業。

  • ノギスを使ってサイズや厚み、穴の径などを測る。鉄骨への取り付け前に確認。

自分の仕事が残り続ける達成感があります。

当社では鉄骨に対する技術はもちろん、ヒューマンエラーやトラブルが生じた場面で柔軟に対応できる力を磨くなど、一人ひとりのスキルを高めたいと考えています。未経験者でも1カ月もあれば溶接はできるようになりますし、自分が関わったものが建物として残り続けるので、ちょっと自慢できたり達成感や高揚感も味わえる仕事ですよ。
専務取締役/大久保 諒さん

大久保鉄工株式会社

1992年設立。公共建築など建物をメインに鉄骨その他鋼構造物の設計・製作・組立・架設を行う。資格取得にも積極的に取り組み、費用の負担など希望者に対して充実したサポート体制を整えている。

北海道上川郡東川町北町7丁目9-8
TEL.0166-82-4444